神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~



うわぁ……オロチって、妖怪の中でも恐れられてるんだ。


「ところで、オロチが美心を狙っているという噂はあるのか?」


風牙くんに尋ねられ、妖怪さんたちは首を傾げる。


「みこって?」


「我とオロチを召喚した張本人だ。

こやつをオロチが特別に狙っているという話は聞いたことはないか?」


四郎くんに猫みたいに首根をつかまれたあたしを、妖怪さんたちがこたつの天板の上に乗り出して凝視する。


「可愛いわねっ」


「うん、可愛いっ。
あ、やわらか~い」


あたしの頬をぷにぷにして、微笑む小糸さん。


「あんたの元彼、なんか言ってた?」


「ううん……でもこんなおいしそうな子、オロチが放っておくとは思えないわ。

最近のJKにしては、清らかなにおいもするし」


「他の妖怪を使って、美心を襲うってこともあるのかな?」


横から質問した雷牙の頭を、六花さんがなでる。


「この子も可愛いわね。

オロチの考えはわからないけど……本来なら、自分の獲物は自分で捉える性格だったような気がするわ」


「様子を見るために他の妖怪を使うことはあるかもね」