「大丈夫だ、お前はひとりじゃない」


四郎くんはいったいどうしちゃったのかと思うほど優しく、あたしの頭をなでながら言う。


「雷牙も風牙も、異能を持つがゆえの苦しみは感じているはずだ。

彼らなら、お前の気持ちをわかってくれる」


「…………」


「それに我も……わかる。

お前の孤独はお前のもので、我のものとまったく同じというわけではないだろうが………」


するりと後頭部から手が離れ、あたしの頬を包んだ。


その手に導かれるように上を向けば、四郎くんのブルーの瞳がこちらを見つめていた。


「大丈夫だ。

我のそばにいろ。

我が必ず、お前の心配事をなくしてやるからな」


「四郎くん……」


「オロチは、我が責任を持って倒す。

だから案ずるな。

お前はのほほんと笑っておれ」


澄んだ青い目が細められる。


そのキレイな笑顔を見ていたら、落ち着き始めていた心臓が暴れだした。