「どうかしたの?」
「うんと……奈々ちゃんの友達と落ち合うはずが、ちょっと向こうの事情で遅れるみたいで……」
なんとなく男の子だとはいいにくくて、言葉を濁した。
「ふうん……じゃあ、僕と帰っちゃおうか?」
「えっ?」
彼が何を言ったのか、一瞬わからなかった。
ぽかんとしたあたしを見て、槙原くんは目を細める。
「最近いつも天草が近くにいて、なかなか話せなかったから……。
これはチャンスだと思って」
「チャンスって……?」
どういうこと?
思わずじっと見つめてしまうと、槙原くんはほんの少し頬を染めたようだった。
「えっとだから……僕はずっと、神崎さんともっと親しくなりたいと思ってたんだ」
え……。
ええええええー!?
そうなの?
たしかに、みんなに避けられていたときから、槙原くんはあたしを気にかけてくれていたけど……。
親しくなりたいって、どこまで?
普通のオトモダチ?
それとも……。
妄想ばかりが暴走して、あたしは口がきけなくなってしまった。



