——「はい。それでは次に文化祭の実行委員を決めたいと思います」





HR中、黒板の前に立つ委員長が淡々と進める。



…そうだ。

もうすぐ文化祭じゃん。





「男女各1名ずつ。誰か立候補はいませんかー」




委員長が教室を見渡すが、しーんと静まり返る生徒達。


やっぱり、誰もやりたがらないんだなぁ。



まあめんどくさそうではあるけど…。

でも誰もやらないんならやろっかな。





「…はい」




私が手を上げると、クラスの皆がおっと歓声を上げた。





「じゃあ女子は柴咲さんで。男子は誰か…」





委員長がメモを取りながら言う。


まあこの際誰でもいいけど…。




「はい。推薦で、柴咲刹くんがいいと思います」





そう手を上げて言ったのは、正しくもみっちゃんだった。



え、みっちゃん!?




「…あ、じゃあ他に誰もいなければそれでいきます」





しかし予想通り、誰もそのあと推薦も立候補もしなかった。





「……ということで、文化祭の実行委員は柴咲姉弟に任せます」






波乱の幕開けの予感がした。



肝心の刹といえば、ずっと隣ですやすや眠っている。


信じられない……。