「うわ、皆めっちゃ似合ってるねー」
私達を見るなり、室谷先輩が笑顔で言った。
女子達の黄色い声も聞こえる。
「じゃあ早速写真撮ろーよ!和也頼むー」
「うぃー」
そうして私達は写真を撮る場所へと移動させられる。
とは言っても周りの人から丸見えだ。
「思ったら比乃ちゃんと健斗ペアじゃん。隣になりなよー」
そう言いながら室谷先輩は私の隣に佐久間くんを押した。
佐久間くんと目が合う。
ニコッと笑うと、佐久間くんも自然に笑った。
「じゃ、刹くんは俺の隣ね」
「絶対嫌だ」
やけに大きい声で言った刹は、バッと私と佐久間くんの間に割って入った。
「あ、刹!何すんだよー」
「俺も比乃の隣がいい」
「俺だって隣がいいー」
「じゃあ私譲ろうか?」
「駄目!私みっちゃんの隣がいい!」
「「…藤枝ずりぃ」」
「はいはい!もうなんでもいいから早く撮ろー」
結局私の左隣は途中で割って入った室谷先輩となってしまった。
写真を撮り終わると、武内先輩がこちらに歩いて来た。
「いいねー。じゃあこれは携帯に送るね。現像したかったら有料だけどするよー」
写真は佐久間くんの携帯に送られ、それを皆に送ることになった。
「いやーほんと比乃ちゃんのメイドいいね」
萌えるよーと言いながら綺麗に笑う室谷先輩。
すると刹が私の手を掴んで引き寄せた。
「見んな」
「あらら、妬かせちゃった」
そんなことを言いながらまた笑う室谷先輩。
……は、恥ずかしい。