もし万が一でも、これで終わることができるのなら……。


更に力を込めると、携帯電話がミシッと音をたてた。


額から汗が流れた。


「どうか……これで終わって……!!」


ギュッときつく目をつむり、あたしはすべての力を手に加えた。


バキッ! と音が響き、携帯電話が2つに割れる。


割れ目から電話の中身がのぞき、一瞬内臓を飛び散らせて死んだココアを思い出した。


肩で大きく呼吸を繰り返す。


「ハッ……ハハッ」


割れた携帯電話を見ていると、自然と笑い声が漏れた。