こらえていた涙が一気に流れ出して来る。


「芹香、大丈夫?」


お母さんはそう言い、あたしの背中をさすってくれた。


昔、あたしがまだ小さかった頃。


お母さんは友達と喧嘩をして泣いているあたしの背中をさすってくれていた。


今も、かわらない。


「あたしはただ……自分のことで精いっぱいで……! みんなを助けるのだって……全部自分のためなのに……!!」


新聞をクシャクシャにしてその場にしゃがみ込む。