それかから朝まで、あたしたち家族はろくに眠ることはできなかった。


夕方頃事件のあった家で、また同じような事件が起きたという事で、警察からは散々事情聴取を受けた。


何度も何度も同じことを繰り返し説明する度に、あたしの中でついさっき起きた事件が、まるで遠い昔起きた事件のような気になってきていた。


それほど精神的に辛く、長い時間だった。


「狙われやすい家もありますから、気をつけてくださいね」


ようやく解放された時に1言そう声をかけてくれた警官がいたことが、少しは救いになっていた。