だから。 甲子園の出場が危ぶまれるようなことを、あたしはしない。 それが例え犯罪行為だったとしても、絶対に口外しない。 それを分かって及んだ行為なんだ。 ――完璧な、確信犯。 体がワナワナと震えて、小さく握りこぶしを作る。 追いかけて彼を突き飛ばしたかった。 なにもかも壊しても罰を与えてやりたいと本能的に思った。 そのとき、視界の片隅に他の部員が映った。