「あ~?んなの基本的なとこ押さえりゃ簡単なんだって、いいか……?」 授業のペースが速くてついていけないあたしにとって、こんなマンツー指導は願ってもないチャンス。 だけど、頭の中は佑真のことでいっぱいになる。 昨日の温もりを思い出す。 そりゃあ、佑真がいるかなってちょっと期待したよ? …いなくて……確かにガッカリしたよ……? って。 えぇっ?? 「……は……はぁっ!?」 「クックックッ。お嬢。佑真呼んで来てやろっか?」