唇が、覚えてるから



「それから少しして、あの事故に遭ったんだ…」


海翔君は顔を歪めた。


そんな……。

祐樹、そんなこと一言も言ってくれなかったじゃん。



『おっし!俺、今日あの子に声掛けてみる!』

『おう、頑張れよ!』



「…それが、俺たち最後のやり取りだった……っ」

「……ううぅっ……ああっ………」


一筋零れた涙はもう止められなかった。

泣かないっていう祐樹との約束、破っちゃうけど。


だって。

こんなの、反則だよ……。