305号室の男。【完】

「ごめん…。あたしちょっと、お手洗いに行ってくる…」



思わず席を立つと。



「ゆっくりしてきて下さいね?」
「おぅ。ゆっくりしてこいよ!」



2人に同じことを言われた。



まるであたしが“邪魔”とでも言うように…。



「………」



トイレに来てみたはいいが、どれだけトイレに居ればいいのか分からなかった。



こっそり帰ろうと思ったけど携帯をテーブルに置きっぱだったことに気付き断念した。



「とりあえず化粧直したら出よう」



奈緒は鏡の前に立った。