「じゃぁ、行くな?ネルも、またな?」



“にゃ~ん”と大智の足に絡みつき、まるで“行かないで”と言っているようだった。



そして大智は奈緒の部屋から出て行った。



「……っ」



それとほぼ同時に奈緒の目からは涙が溢れてきた。



何で優しくすんのよ…。



もう人なんか好きになりたくないのにっ…。



けど…。



もらった紙を捨てることは、できなかった…。