305号室の男。【完】


「あの、手」



「ん?」



「ん?じゃなくて!!また手のせて!!退けてください!!」



振り払った手は、すぐにまた奈緒の頭の上に戻ってきていた。



「イヤだと言ったら?」



「警察呼びます。叫びます」



「わ…分かったって!」



大智は慌てて手を離した。



「奈緒ー?」



「はぁ…今度は何ですか」



早く帰ってよ!!



馴れ馴れしい奴めっ。