305号室の男。【完】


「ちょっと!!」



奈緒は咄嗟に手を振り払った。



「お前、名前は?」



「どうしてあなたなんかに…」



「名前」



「あの、人の話…」



「な・ま・え」



「か、加藤…」



「苗字じゃねぇって。下の名前」



「…な、お…」



言ってしまった…。 



あたしの人生完全終わった。



さよなら、あたしの人生。