305号室の男。【完】

「僕のお嫁さんになってくれますか?」



そう言って、小さな箱を出し指輪を取り出した。



「………っ、」



一番最初に詠二とのことを話して、その時に言われた詠二からのプロポーズ。



それを大智さんが覚えててくれてて同じセリフを言ってくれた時、あたしの視界はすぐに歪んだ。



「詠二の分も幸せにしてやる」



「だ…、いち…、さん」



しゃくり上げるあたしの声は、うまく喋ることができなかった。