305号室の男。【完】

「奈緒、出掛けるぞ」



「え、どこに?」



それは、突然の誘いだった。



「俺と奈緒の大事な場所」



「……??」



頭が?でいっぱいだった。



あたしと大智さんの、大事な場所…?



「今日はバイクな?そろそろ、乗ってみようぜ?気持ちいいからさ」



そう、大智さんはバイクも乗るんだ。



あたしは、いつも怖いからと断ってたんだけど…。



本当は、乗ってみたいなって思い始めてたんだよね。



でも、バイクで大事な場所…?



バイクなら、公園じゃないよね…?



不思議に思いながらもヘルメットを受け取った。



「奈緒、貸して」



初めてのヘルメットに苦戦してると長い腕が伸びてきて、あっという間に準備が整った。