305号室の男。【完】

「とりあえず、入って?」



そう言って、葵を家に上げた。



「へぇ、こんな家だったんですね~」



葵がグルリと部屋を見回した。



「あんま見ないで、汚いから…」



立ってキョロキョロしてる葵を、ソファーへと座らせた。



“紅茶でいい?”そう聞きキッチンへと足を運ぶ。



「あ、はい!」



葵の返事を聞いて紅茶の用意を始めた。



「お待たせ」



葵の前にカップを置き、あたしたちは話し始めた。



もちろん話題は、大智さんの話になるわけで…。



「大智さんとは、うまくいってるんですか?」



「うん…、うまくいってるよ?」



大智さんの名前を出されるだけで、あたしの顔は熱くなる。



どんだけ好きなんだ、あたし…。



思わず顔を伏せた。