305号室の男。【完】


「あのさ……」



「…はい?」



「悪いんだけど、トイレかしてくんねぇか?」



「…は?」



「だからっ、鍵なくて入れねぇんだって…」



「あー…」



「な?トイレかりたら、すぐ出るからよ?」



「………」



「な?」



「近くにスーパーあるんで、そこに行ったらどうですか?」



「………」



今度は大智が黙った。