305号室の男。【完】


「なぁ、待てって!!」



突然、大智に腕を掴まれた。



「……やっ!!!!」



―バシッ―



奈緒は大智の手を振り払った。



「あ、悪ぃ……」



「……いえ、あたしこそすみません…」



『………』



数秒間、時が止まった…。