305号室の男。【完】

その時。



「大智にーにー」



あたしが大智さんと言ってたのを聞いて、覚えたんだろう。



子供は記憶力がいい。



陸斗くんが、大智さんに近付いた。



「陸斗…。どこか…、痛むか…?」



自分のことよりも、陸斗くんを心配する大智さん。



「ううん、痛くないよ?大智にーにーが、助けてくれたから…」



陸斗くんも何かを感じ取ったのか、笑顔が消えていた。



「そうか…、良かった…」



陸斗くんとは反対に大智さんは、笑った。