305号室の男。【完】

「な…、お…」



薄目を開けた大智さんが、あたしを呼んだ。



「……っ。大智さんっ!!聞こえる!?奈緒だよ!!ねぇ、死なないで…。死んじゃ…、やだよ…」



奈緒は喚いた。



「俺は…、大丈夫だから…。心配…、すんな…。それより奈緒…。陸斗は…、無事、か…?」



大丈夫って…。



全然、大丈夫そうじゃないのに…。



「陸斗くんは大智さんのおかげで無事だよ。だから心配しないで?」



「そうか、良かった…」



あたしたちの会話に、お姉さんは黙った見ていた。