305号室の男。【完】

肌も白くて、最初会った時は見とれたっけ。



「はい、お姉さんも元気そうで良かったです」



お互い詠二の葬儀の時は見るに堪えない姿だったけど、今こうして笑って話せることが嬉しかった。



「こら、陸斗。奈緒ちゃんから、離れなさい!」



お姉さんが、陸斗くんをあたしから離した。



「やーだー!!奈緒ねーねーのとこにいるのー!!」



駄々をこねる陸斗くんに、あたしは笑ってしまった。



「ごめんねぇ、一年前に陸斗と遊んでくれたでしょ?もうあの日から奈緒ねーねー、いつ来る?とか、しつこくて…」



はぁ…、と溜め息を漏らすお姉さんに



「大丈夫ですよ。あたしも陸斗くん好きですから!」



笑ったあたし。



「そう?それならいいんだけど…。ほら、陸斗…。目元とか笑った顔とか詠二に似てるから、奈緒ちゃんツライんじゃないかって…」



そう言ったお姉さんは目尻が下がり、あたしを見つめていた。