「沙耶ちゃん帰ろっか?」

「うん♪」

「あれ?空元気だね」

「…へ?」

「いつもみたいに元気じゃないな、今日は」





…あたしってそんなにバレやすいのかな?

顔に出ちゃってるのかな?




「なんかあった?…話、聞くよ?」

「大丈夫だよ!」

「でも…」

「本当に大丈夫だから!」




…ダメ。

相談したら答えが返ってきちゃう。

言ってしまったらちゃんとした答えが返ってきちゃう。

だめ…なんだかその答えは聞きたくないの。

“答え”がわからないのになにに怯えてるかわからない。

…だけど。

今言ったら、なにもかも崩れそうな気がするんだ。

もう引き返せない…そんな気が。






「…わかった。でもいつかは迎えないとだめだよ」

「…翔大くん…」





やっぱり翔大くんには見透かされてる。