恐怖短編集

「……一哉は、死んでしまったの?」


数時間後、動かなくなった彼の前で膝をつき、栞はそう呟いた。


彼は今までちゃんと生きていて、そして死んだ。


そう解釈することで、栞の心は救われたのだ。


しかし、それと同時に強い悲しみが襲ってくる。