彼がただの花だということは、最初から知っていた。 だけど、動いていたじゃないか。 話をしていたじゃないか。 自分が大好きな一哉そっくりになって、抱き締めてくれたではないか。 「どうして動かないの?」 不安そうに、語りかける。