開けられた窓から、野球部の威勢のいい掛け声が風と一緒に入り込む。 動揺を必死に隠すみのりに気付かずに、塚越が続けた。 「あたし、浅井さんの事は憧れっていうか…ちょっと気になるくらいな感じだったんです。 だけど… 彼女がいるって分かったらすごくショック受けてて…」 視線を落としたまま話す塚越から、みのりが目を逸らす。 そして窓の外に視線を移した。 塚越の続く言葉を、聞きたくなかった―――… 「あたし… 浅井さんが好きみたいなんです…」 聞きたくなかった… .