その理由がわかったのが…


沙紀と崇の結婚式での出来事だった。



『うざがられないように気をつけろよ』



悠太との過去。

悠太との恋愛が、別れ方がトラウマになってみのりを怯えさせてる事に、あの時気付いた。


悠太に怯えて何も言えなくなっていたみのりを見て…



『そんなにしつこくしたつもりはなかったんだけど…

でも悠太にしたら重かったのかな…』


思い出を話すみのりの表情を見て…


みのりの心の傷に気付いた。



あの時の…

嫌いにならないでと泣いた時の涙の理由が繋がった。



自分の気持ちが重いと思い込んでいるみのり。


そんな自分の気持ちを全部出したらオレに嫌われるんじゃないかと思ってる…



どうすればみのりをちゃんと包み込めるのか、正直分からない。


どうすればみのりが安心して隣にいてくれるのか…


安心して全部の気持ちをオレに話してくれるのか…



難しい表情を浮かべながらポケットに手を突っ込む。


教習所の建物に入る時、ふと視線を感じて振り返ると一瞬塚越と目が合った。


でもすぐに逸らしてそそくさと背中を向けて歩き出した塚越に、浅井も背中を向けた。



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