ずっと大好き…この恋は永遠…




その日の塚越は妙に静かで…

だけど特に浅井からも話しかけなかった。


基本、人当たりは悪くないが、他人と深く関係する事が好きでもない浅井。


職場でも自分をよく知っていてくれる渡辺以外とはどこか一線引いていた。


だから、大勢いる教習生のうちの1人の塚越が静かな理由を聞くつもりもなかったし、大人ぶって悩み相談なんか開くつもりもなかった。


他の教官と比べると若いからって理由だけで勝手に親しみを持つ教習生にも正直困っていた。


必要以外関わりたくないのに、なかなかそうさせてくれない図々しい教習生。


やけに色目を使ってきたり、勝手に友達にされたり…


その度に上司から注意されるのは浅井で…

贅沢な悩みながらバレンタインだとかそうゆうイベントの日が教習所の休みと重なる事を願っていた。





「次は高速教習か…

受付で予約してから帰れよ」


「はい…」


元気のいい明るい声も、今日はなんとなくしおれていた。


「じゃあ」


そんな塚越を不思議に思いながらも、教官としての仕事を終えて浅井が建物に入る。


少し冷たいようにも感じたが、誰にでも優しくするのがベストの方法じゃない事は、沙紀との事でよく分かっていたから…





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