あの時と同じ…
別れを切り出された時と同じ、怖いくらいの無表情…
そんな悠太の顔にみのりが言葉を呑むと、悠太がその無表情の目を浅井に向けた。
「こいつの気持ちって重くないですか?
なんか…いちいちうっとおしいんっすよね」
「は?」
いきなり吐かれた悠太の暴言に、浅井が眉をひそめた。
そんな浅井を気にする様子もなく、悠太の視線がみのりに移る。
「この彼氏にはうざがられないように気をつけろよな」
「……」
何も言わないみのりに顔をしかめた後、悠太が2人に背中を向けて歩き出した。
悠太の態度に、みのりがキュッと唇を噛み締めた時…
「ちょっと待てよ」
みのりの隣で、浅井が悠太を呼び止めた。
悠太が振り返ると、真っ直ぐに浅井の視線は悠太に向けられて…
「昔は知らねぇけど、今はオレのだから。
…あんまりバカにした口きいてんじゃねぇ」
「…そりゃどうもすみませんでした」
皮肉っぽく謝罪の言葉を落としながら、悠太が前を向き歩き出す。
その後ろ姿が、4年前と重なった。
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