「…久しぶりだな」
沈黙を破った悠太の言葉に、みのりが少し気まずそうに口を開いた。
「久しぶり…」
変わらない悠太の優しい笑顔に、みのりもぎこちない笑顔を返す。
目の前で笑顔を浮かべるのはあの時とは違う、いつもの悠太だった。
だけど何を話せばいいのか分からなくて…
地面に揺れる花びらを見つめていたみのりに、悠太が口を開いた。
「元気だったか?
…オレの事、誰かから聞いたりした?」
悠太の言葉に、みのりが一瞬だけ視線を悠太に移して…
また花びらに落とした。
「元気だよ。
…あの後すぐ家の事情で引っ越したって聞いた。
それ以外は何も…」
「…そっか」
過去の出来事を気にしてか、目を合わせようとしないみのりに悠太が黙る。
そして
「あのさ…
あの時は本当にごめん…
オレっ…」
そこまで言いかけて止めた悠太を不思議に思いみのりが顔を上げると、
みのりの後ろに視線を送る悠太の姿があった。
悠太の視線を追おうとした時、後ろから声が聞こえた。
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