『別に今はバツイチだろうが親と不仲だろうが気にする必要ないだろ。

浅井さんよりオレの方がみぃを幸せに出来る…とか変な事言ったのもただの親の欲目だよ。

だから…浅井さんに気にしないで欲しいって伝えてくれないか?

すみませんでしたって…』


悠太に言われた事を考えながら、みのりが里奈のいる車に戻る。


日曜日のせいか、病院の広い駐車場は満車の赤いマークが点灯していた。


みのりの1メートルほど上で光る人工的な赤い色は、青空に溶け込めずに違和感を残す。


キツすぎる赤い色に、みのりも目を逸らした。


なんだかじっとしていられなくて、途中浅井に電話をかけたが、繋がらなかった。


今日は休みのはずなのに繋がらないケータイが不安を生む。



悟くんと来てたって言ってたし…出掛けてるのかな。


着信されないケータイを見つめながら、みのりが小さくため息をつく。


そしてパチンとケータイを閉じてから車のドアを開けた。


「ごめんね、遅くなっちゃって。

はい、これ」


お詫びに買ったアイスティーのペットボトルを渡すと、里奈が笑顔を向けた。


「ありがと〜。少しはすっきりした?」


ペットボトルのキャップを開けながら聞く里奈に、みのりが気まずそうに笑った。


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