「みぃちゃんは…それで幸せなの…?」


言われた言葉に、浅井が思わず表情を歪めた。


そんな浅井に、少ししかめた表情を浮かべた春子が続ける。


「バツイチってだけでもみぃちゃんの負担になるのに、親御さんとも不仲なんて…

みぃちゃんはそれで幸せなの…?


悠太の方がっ…」


「母さんっ!!」


カーテンが勢いよく開いて、悠太が春子を止めた。


「…何言ってんだよ。

そんなの母さんが口出しする事じゃないだろ?」


睨みつけるように視線を尖らせる悠太に、春子が我に返ったようにはっとして…

再び浅井を見た。


「あ…ごめんなさいっ

つい…

ダメね。あたし…」


気まずそうに苦笑いを作る春子に、浅井が小さく微笑む。


「いえ…おっしゃりたい事はよく分かりますから」


「本当にごめんなさい。

どうかしてたわ…」


片手で頭を支えて目を伏せる春子を、悠太が眉間にシワを寄せたまま見つめて…

その視線を浅井に移した。


「すみません、浅井さん。

言い訳になりますが…母も病気のせいか不安定で…

せっかく来てもらったのに嫌な思いさせて…」


「いや、お母さんが言った事も最もだから…

今日はこの辺で失礼しますね」


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