「あ、おばさんっ
こんちわ。今ちょうどおばさんとこ行こうと思ってたんだ〜」
明るく笑う悟を横目に、浅井が悟に乱された服を整える。
そんな浅井に、春子の興味深い視線が向けられた。
「あ、おばさん。
この人、みのりちゃんの彼氏。
で、オレの兄貴みたいな人」
「悟…まず名前を紹介しろよ(笑)」
隣の悟に呆れて笑ってから、浅井が視線を春子に移す。
「初めまして。浅井です」
浅井の名前を聞いた春子の表情が一瞬だけ固まって…だけど、すぐに笑顔に変わった。
「小田切です〜。
今日は私のお見舞いにわざわざ?(笑)」
冗談を言う春子に浅井が小さく笑うと、悟が春子の背中に手を回した。
「そうだよ〜。だから病室行こ」
誰にでも馴れ馴れしい…よく言えばすぐに馴染める悟が、春子の背中を押しながら歩く後ろを、浅井が呆れ顔で着いていく。
ちらっと浅井を振り返った春子の視線に気付いて目を合わせると、春子が慌てて笑顔を作った。
さっきからの春子の視線が気になって、浅井が顔をしかめる。
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