「うまいよ」


浅井がカレーを口に運ぶのをじっと見つめていたみのりに、浅井が少し笑いながら言うと、みのりがほっとした表情を浮かべた。


「よかったぁ…

じゃあいただきます」


安心したようにスプーンを持ったみのりに笑みをもらしながら、浅井もカレーの乗ったスプーンを口に入れた。


少し辛目のカレーは浅井の好み通りだ。


肉もビーフを使っているところを見ると、以前話した事を覚えているようだった。


インスタントカレーを選ぶ時に何気なく、辛口のビーフカレーが好きだと言った事を覚えていて、好みのカレーを作ってくれたのかと思うとうれしさから口元が緩む。


「なんかあった?

急に来たりして」


浅井の言葉に、みのりが小さく笑みを浮かべて首を振る。


「カレー作りに来ただけだよ。

なんとなく…食べたくなったから」


「あぁ(笑)暑いとカレー食べたくなるよな」


「うん。

…でも分量が分からなくてなんかいっぱいできちゃった。

浅井さん1人で食べたら3日はかかるかも…」


浅井の反応を伺うように笑いを堪えるみのりに、浅井が苦笑いを浮かべた。


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