「でももう連絡しなくなって4日も経つのに、浅井さんから連絡ないんだよ?

…言い過ぎたかなって不安になる」


「きっと合わせる顔がないんだよ。

だって初めてのケンカでしょ?

しかも悪いのは完全に向こうだし」


鳴らないケータイに次第に不安を覚えて弱気になったみのりに、里奈が強気に言い切る。


だけど…

電話を待つ事しかできなかった時があるだけに、いくら両想いだからと言っても、鳴らないケータイには不安が募る。


もしかしたら、このまま…


そんな極端過ぎる不安がよぎる。


信じてるとか信じてないとか、そんな気持ちとは関係なしに、別の場所から静かに募っていく不安…


「でも会いたいなら会いに行けば?

ケンカして言いたい事言ったんだから、いつまでも意地張ってても仕方ないし。

浅井さんも会いたいって思ってるよ、きっと」


里奈の言葉に、みのりが曖昧に笑って頷く。


お昼時なせいか、目の前の道路が余計に賑わいを見せる。


もう、駅前を通ろうとする無謀な車は見当たらなかった。