ベルを合図にバラバラと教習生達が帰り始める。


車を数台挟んだ所にある駐輪場に集まる教習生に見つかりそうで、みのりがキョロキョロしながら浅井の袖を引っ張った。


「ねぇ…なんか誰かに見られそうだしもう帰ろ?

もしかしたら塚越さんも来るかもだし…」


本気で心配しているみのりの肩に浅井が腕を回して、みのりを引き寄せる。


すると、浅井の予想通りの反応が返ってきた。


「え…何?」


焦りながら困った表情を浮かべたみのりに、浅井が方頬を上げて笑う。


みのりの言う、『意地悪な笑顔』で…


「もう暗いし誰も気づかねぇよ。

塚越には…見せつけてやればいいし…

あ、こら。逃げるな」


すっかりモードを切り替えた浅井の胸を押し返すみのりに、甘い命令を落とす。


少し潤んだみのりの目が教習所の明かりを反射させてキラキラ光っていた。


そんなみのりの肩を抱き寄せて…

空いた手でみのりの唇を割らせて、そのままキスをした。



「…っ……」


周りを気にしてなのか、声を出さないようにしているみのりが愛しくて…

わざといじめる。



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