「もう…何も考えんな」
至近距離からみのりを見つめてそう言った浅井の表情に、みのりの胸が締め付けられる。
真剣な男の顔に、頭が翻弄されて…
熱いキスに、指に、体が翻弄されて…
言われた通り何も考えられなかった。
「ぁっ…浅井さ…ん…」
「どうした…?みのり…」
「電気…や…っ…んんっ…」
答えさせるつもりなんかない浅井のキスに頭がぼーっとする。
浅井の背中に回した手にギュッと力を込めた。
もらった言葉一つ一つを大事に覚えていたいのに…
甘い熱に侵された体が記憶の邪魔をする。
「浅井さ…ん…
大好き…」
「ん。オレも…」
何度言っても優しく返してくれる浅井に、涙が溢れた。
一緒にいられたら…それだけでいい…
強くその想いを確認しながら、目の前の浅井を抱き締めた。
コーヒーとカフェオレの混ざった香りが2人の甘い吐息を包み込む。
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