こんな時間がとてつもなく愛しくて幸せで。 私はずっとこんな普通の幸せが欲しかった。 大学生になってやっと手に入ったこの幸せ。 今度は離したりなんかしない。 ずっと、ぎゅっと抱き締めて。 この幸せを名一杯噛み締めて生きていくの。 だから、由季さん見守っててね? 心のなかで問いかけると また柔らかい風が吹いて ゆらゆらと春紫苑が揺れた。 ─End─