目の前の人間、一人残らず消してやろうか。 将光が今、どんな思いでいるのか、あなたたちには分からない? 一歩、踏み出そうとしたとき私の瞳が捉えたのは。 「西野さん……」 西野 悟。 隆弘さんの秘書だった。 報道陣の群れから少し離れた場所にただ、一人。 ぽつんと立ち尽くしていた。