『もっと持って行っていいから』

あれは……なんの事を言ってたんだろう。


目が覚めると、自分の部屋だった。
ベッドの上で上半身だけ起こすと、灯りのついていない部屋が映った。

窓の外はすでに真っ暗。
ケータイで時間を確認すると、21時をすぎたところだった。

ケータイの画面には“受信メール1件”のメッセージ。
開くと、知らないアドレスからだった。



from.a.h//xxx@xxxx.ne.jp
【non title】
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ごめん。
勝手にアドレス
抜かせてもらった。

顔色は
だいぶよさそうだけど
今日はゆっくり休んで。

明日朝、迎えにいくよ。

ちなみに部屋の鍵は
俺が持ってるから。



二楷堂

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