「優花ちゃんの、部屋は一番奥の左側ね?で、優花ちゃんの隣の人は、ココにまだ居ないけど、真愛愁太って人。マッサージ師なんだ。マッサージ、凄い上手だから今度してもらったら良いよ」

「そうなんですか…」

「で、優花ちゃんの、前の部屋。右側の一番奥ね?…さっきの、音色叶って子。音楽が大好きな男の子だよ。彼の声は、透き通るような位綺麗な歌声だよ」

「へぇ…」

「で、愁太の隣の人が、笠井玲愛。双子の弟。凄い冷静な判断で、いつも皆をまとめてくれるんだ。で、叶の隣が、双子の兄の笠井玲好。凄い元気で、フレンドリーだから直ぐ友達になれると思うよ」

「はぁ、そうですか……」

「で、最後は俺の部屋。…玲愛の隣。性格は、見ての通りです!」

えっ……?最後……?女の子や、女の人の名前が出てこなかったけど……?

「そうなんですか…。あの、管理人さん…」

「黛城愛希。愛希で、良いよ」

ニコッと優しく、笑う。……うっ、格好いいな……。

「ぇっと、じゃあ、愛希さん。……私以外に、女のっ…」

「居ないよ?優花ちゃんだけ、女の子」

「……………」

「大丈夫だよ、女の子の扱いには慣れてる人も、居るしさ!確かに、個性強いケド優しい人ばっかりだから。心配は、しなくていいよ?」

そう言う事じゃないんだけどな……。ほら、女の子にしか言えないっていう事情があるじゃん?

「そっ、そうですかぁ……。あはは……」

「優花ちゃんの荷物は、もう部屋に運んであるから。と、荷物の整理とか終わったら、またリビングに来て?…お風呂を使って良い時間帯とかを、説明するから」

「あっ、分かりました」

「じゃあ、また後でね。優花ちゃん」

「はい。ありがとうございました……」

私は、愛希さんが見えなくなった時に、自分の部屋に入る。

「……何か、広いな……」

タンスも、クローゼットも机も、テレビも。ベットも本棚も、ぬいぐるみも。この、全部置いても、まだ少しスペースが残る位広い……。

「女の子、私だけか……」

1人くらい、女の子いてほしかったな……。まだ、好きな人は居ないけど……。もし出来たら2人で恋バナとかして……。2人で盛り上がって……。

「って!…早く整理しないと」

ゴチャゴチャ考える必要は、無い!もう、変えられない事実なんだから……。

「ふぅ……。荷物、結構多かった……」

今の時刻。昼の2時。……多分これは、4時位まで、掛かりそうだな…。

何か、そう思ったら面倒くさくなってきた……。……って、ダメダメ。

ペシッペシッと、自分の頬を叩く。

「よし、整理頑張ろう……」

私は、手前にあったダンボール箱を開けて、物を整理をしていく。

その後、自分の納得のいく配置をした頃には、もう4時ちょっと過ぎた頃だった。