半分ほど読み終わったあたりで、友人は読むのをやめた。

 顔を上げた友人の第一声はなんなのか、不安と期待が入り混じる。

「……どういうこと?」

 思わずふきだした。

 うん、確かに。

「ちょっとぶっ飛んだこと書きたくなって」

「やりすぎ」

「てへっ」

 わざとらしく、ぎゅっと握った右手を口元にあてて笑ってみせた。

「うわぁなにそれ気持ち悪い」

「……」

 ちょっと冗談で言っただけなのに……。私もあのキャラみたいに顔が引きつった。


 ケータイ小説でも、恋愛と性を扱っているものはけっこう見かける。

 この前、「エデュカチオ!」で、教育評論家の尾木直樹さんが、少年隊の東山紀之さん相手に言っていたこと。

「男の子の自尊心が低く、それが原因でデートDVに」

 いまの10代の思春期は、私の知っている思春期ではないらしい。

 でぃ、DV? 彼氏が暴力ふるうの? 自分のまわりには、彼氏の暴力で悩んでいる女子はいなかった、と思う。言わなかったとか、そういう話を聞かなかっただけ、という可能性は抜きにして考えると。