鼻呼吸をひとつ。 恐る恐る口に近づけて一口、 いや、舐める程度に上唇にだけつけて、舌で味を確かめる。 「ん」なんとなく紅茶。 一瞬だけだけど、たぶんそうだと思う。 ことりとテーブルに戻した。 自分の前に戻されたマグカップに目を落としていたアンジュラは、 瞬きをすると残りを一口口にして味を確かめた。 うんうんと一つ頷き、「それでですね」と、話を繋ぎ始めた。 よし、やっと本題に入れる! 座り心地の悪い椅子に座り直して、喉をゴクリと鳴らして体制を整えた。