天使みたいな死神に、恋をした


 私は今ここにいるのに、実際にはまだ心臓が動いている身体の私が下にある。
 
 ってことは、「やっぱり私が二人いるってこと?」

「いえいえ、一人ですよ」

「だって、私と……」
 
 私。と、包帯でぐるぐるの私の身体を指で指し示す。


「あれはただの入れ物です」

「入れ物?」

「そうですよ。体にはなんの意味もありません」

 
 そういう言い方をされると何か私の身体はタッパーとかなんかそんな容器か? と思ってしまい複雑な心境になってくる。