凍る。

 この表現が一番適切だ。

 足元から凍り上がってくる。既に足の指先には感覚が無いし動きもしない。

 それが腿まで上がってきて、足全体は冷たく、自分のものじゃないような気がしてきた。

 上半身も動かなくなってきた。

 生身の私を上から見下ろすと、やはりその隣では彼氏の誰か(名前が出てこない)が泣いていて、一生懸命に私の腕を暖めようとしていた。

「ルーイン、私、これからどうなるの」ああ、この天使はルーインて名前だったっけ。

「……凍りついて、何もかもが無くなる」静かにため息をついた。

「無くなるって、どういうこと」

「そのままの意味。凍って、気が付いたら川底にいる」


 川底?

 黒い沼? ドロドロ? 暗黒?

 それって…………




 私そこへ行ったことがある。




 誰かが何かで切り裂いていたような、真っ白い誰かが……