死神と向き合った。

 アンジュラは鎌を片手ににったらにったらとした(不気味な)笑顔で私を見てる。切れ味抜群だろうと思える程に研ぎ澄まされた鎌。探ること5秒、これまた答えが降ってこないので自分から言おうとしたところ、アンジュラが先陣を切った。

「大変言いにくいんですが」

 嫌な予感ひしひし。唾を飲む。何? と心の中で問うてみたりする。

「もう一度いいますけれど、こうなったらもう、さっさと死んではもらえませんか?」

 この期に及び今、とってもいけない言葉が耳につきましたがそれは気のせいでしょうか?
 
 いいえ、気のせいではないと思います。はっきりと、クリアーに聞こえました。しかも若干面倒くさそうにね。

 ぎりぎりと拳に力が入る。奥歯に力が入る。体中の筋肉が硬くなる。その鎌を奪い去って切ってやりたいのは、こっちだ。