深く考えなくていいことは一つ。
 それは、これから亮とやっていけるかどうかだ。こんなことはまだ大学生の私たちが考えることじゃない。子供ができたわけでもないんだし、この先に起こりうることなんて誰にも分からない。
 
 こっちの世界の天使と死神ですらミスするんだから。

 要は、目の前で私を想ってくれている亮の心を信じることが重要だ。そしてそんな心を有りがたく受け止めて、彼の元へ、いや、自分の体へさっさと帰るべきだ。これが私が今しなきゃならないことだろう。
 
 たぶん、この死神のことは、好きだ。そして一緒にいたら楽しいだろうし、私にはこの死神の性格が自分に合っていることも、分かる。でも住む世界が違いすぎる。

 物珍しさで心がふらふら揺れているだけだろう。それぞれの住む世界を考えて、自分が居るべき場所に身を置くのが一番いい。興味本位で考えるのは止めよう。
 私のいる場所は、ここじゃない。