すると、「送る」 そう言って、橋本くんは玄関の鍵を閉めて出てきてくれた。 けっきょく、美羽ちゃんの言っていた様な甘い雰囲気にはならなかったけど 手には空になったケーキの箱をみて ふふっ、 思わず笑みがこぼれた。 嬉しいな、なんて思いながら歩いていると、 当たりがだんだん白くなる。 それをよく見てみるとチラチラと雪が降っていた。 「すごい!すごいよ橋本くん! ホワイトクリスマスだよ!」 そうはしゃぐ私を見て 「うん、すごい。 見事な人工雪だね」