「今夜は満月だよ?」


「そう?どうりで明るいと思ったわ!」


「何だか怖いから、ご飯食べてお風呂に入ったら、今日は早く寝ちゃおうね?」


僕がそう言うと、不思議そうな顔で


「明日お休みなのに?」


と聞き返す僕の奥さん。


「エヘヘ」


苦笑いの僕に


「でも……それもいいわね?」


何ともやさしい言葉。


「だろう?」




君が単純である事に、僕は本当に救われる事があるんだ。



君がいなかったら、今夜、僕は眠れなかったかもしれない……。





こうして終わり行く、僕の日常。


明日もまた、穏やかな日でありますように。


そして今日出会った“靴ズレ”の彼女に訪れる明日も、


やっぱり、穏やかな日でありますように。







−END−


(2008.4.19)